バーコードやQRコードの自動認識機器のリーディングカンパニーである株式会社デンソーウェーブ様にて、EdgeOCRのお取り扱いが2024年3月より正式に始まりました。そこで今回、お客さまの課題解決への取り組みや、EdgeOCRを取り扱い開始いただいた決め手などについて、協業開始へご尽力いただいた株式会社デンソーウェーブ セールス・マーケティング統括本部の宮崎様にお話を伺いました。
まさに現場が求めているOCR
EdgeOCRをお取り扱い開始いただいた決め手は何でしょうか。
世の中にはさまざまなOCRエンジンやソフトウェアが存在しており、私たちもさまざまな製品をベンチマークしております。
その中でネフロック社のEdgeOCRをお客さまにご提案するのは、「速度」「認識率」「認識文字の種類」が他を圧倒しているためです。
お客さまは、コードの読み取りと遜色ない速度での文字読み取りを期待されています。
この速度が実現できること、なおかつ工場や倉庫で利用される印字品質の悪い文字でもしっかりと認識できること、さらには日本語や一部の手書き文字も読み取れることにより、EdgeOCRはまさに現場が求めている基準を満たしたOCRエンジンだと考えております。
5秒の作業が1秒未満になるインパクト
お客さまの課題にはどのようなものがあるでしょうか。
またその課題に対し、EdgeOCRがどう貢献できるでしょうか。
お客さまごとに多様な課題がありますが、代表的なものとして「労働負荷の軽減」「コストの削減」「作業ミスの防止」が挙げられます。
昨今ではバーコードや二次元コードでの管理が一般化され、商品の識別やカウントにかかる時間は大幅に削減されていますが、現場ではさらなる改善が求められ、非常に難しい課題に直面されていると推察しています。
そこでEdgeOCRを利用することにより、コード化されていない情報でもコードと同じように扱うことができるようになります。言葉にするとシンプルですが、実際の現場では非常に大きな効果をもたらすことができます。
コード化されていない情報の代表例として、賞味期限などの日付情報があります。
これまで「目視で日付を確認する」→「確認した日付を手入力する」という手間が発生していた作業が、EdgeOCRを使うことにより、バーコードを読むのと同じ簡易な操作に変わります。
たとえば現在、日付を読みとる作業1件につき5秒かかっていたとして、それが1秒もかからずにできるようになったとしたら、日単位・月単位・年単位で見ると大きな効果を生むことが容易に想像できます。
コード読み取りにとどまらず、
業務拡張まで叶える高スペック端末
EdgeOCRが貴社ハンディターミナルでお使いいただけることへのお問い合わせも増えています。
貴社製品BHT-Mシリーズについて教えてください。
BHT-Mシリーズは私たちのAndroid™ ハンディターミナルラインナップとして第3世代となります。
過去にお客さまからいただいたご要望を元に、世代を重ねるごとに端末のブラッシュアップをおこない、特にMシリーズは市場での使われ方を意識し「高スペック」という点にこだわっています。
この背景には、お客さまがハンディターミナルを、コードの読み取りだけではなく、コミュニケーションツールとして活用したり、音声認識や画像認識などのソフトウェアによる拡張性を求めるようになってきたり、という市場の変化があります。
EdgeOCRはまさに当製品の端末性能をフルに活用することで高速読み取りを実現しているので、業務拡張を見据えたハンディターミナルをご検討のお客さまに、自信を持ってご提案できる端末です。
レーザーマーカーでEdgeOCRを使える点もお客さまから好評です。
レーザーのガイドマーカーを読み取り箇所に直接当てることで、作業時に画面を見る必要がないというのはハンディ端末ならではの特長です。
操作には端末側面にある物理キーを押すため、画面タッチも必要ありません。
このため、バーコードをスキャンする作業と全く同じ感覚で文字を読み取ることが可能です。
お客さまの課題に寄り添い、
商品管理の効率化やエラー防止へのご提案
実際にお客さまにEdgeOCRをご提案した事例を教えていただけますか。
たとえば、食品物流で入荷・出荷・在庫管理のため一日に何百件もの商品を扱うお客さまに、ハンディターミナルとEdgeOCRを組み合わせて提案いたしました。
この組み合わせによって、作業者は画面上での入力をほとんど行わず商品管理が実現できるため、大幅な効率化につながるとご評価いただきました。
ほかにも、誤出荷防止のため、目視に加えて機械的な読み取りも行いたいという物流業のお客さまや、材料の誤投入防止のため、原材料ボトルの品名を読み取りたいという製造業のお客さまにも、EdgeOCRを提案しております。
読み取り速度、精度、そして日本語が読み取れる点も大変ご評価いただいており、早速導入を進めております。
そのようにお客さまに合わせたご提案はどう実現しているのですか。
企業姿勢として、お客さまに寄り添い、十分ご納得いただいてから販売することを大切にしています。
そのため、開発・サポートのできるエバンジェリストというチームを組織化し、営業担当と一緒にお客さまのところへ伺って、ご要望に沿ったデモアプリをすぐに作ってお見せするなど、営業と技術的な提案・サポートを同時に行える体制をとっています。
やりたいことが実現できることをお客さまに具体的にイメージしていただき、信頼関係を構築できるよう心がけています。
ハード技術とソフト技術の協力でさらなる課題解決へ
今後の展望や、ネフロックに期待することがあれば教えてください。
私たちは製品の販売を通してお客さまの課題を解決することを目指しております。そのためにはソフトウェアかハードウェアのどちらか一方だけのご提案では成り立ちません。
ネフロック社はEdgeOCRだけでなく、最先端技術を活用した様々なソフトウェアを市場に投入されており、私たちはそれらのソフトウェアが快適に動作するためのハードチューニングを自社で行うことができます。
そういったお互いの強みを活かしながら今後も一緒にお客さまの課題解決に向き合わせていただければと考えております。